昭和56年5月23日・24日
社団法人全日本鍼灸学会設立総会ならびに第31回学術大会(テーマ:予防医学と鍼灸、大会会長:愛知医科大学岡田博学長)を愛知地方会担当で名古屋市公会堂において開催。
内容は招待講演1題、特別講演2題、シンポジウム1題、一般口演54題であり、社団法人化してからはじめての学術大会であり、国内での鍼灸医学学術大会としては最大の演題数となり、2会場において同時進行された。また、開会式に引き続いて法人設立記念式典が開催され、その式場において愛知地方会有志で作成した新しい学会旗が本部に寄贈された。5月23日の夜には、名古屋国際ホテルにおいて盛大な懇親会が開催された。
昭和55年4月1日
日本鍼灸医学会と日本鍼灸治療学会が一つとなり、社団法人全日本鍼灸学会として文部省より認可された。
社団法人設立に際して、昭和52年5月14日に開催された第26回日本鍼灸医学会総会において、日本鍼灸医学会の社団法人化の推進が決議されて以来、黒野保三事務局長と奥田冨雄経理部長が30数回にわたり文部省を訪れ、鋭意法人化を進めてきたが、最終的に日本鍼灸治療学会との合同により法人の認可をするという文部省の勧めにより、日本鍼灸医学会の谷口健蔵、黒野保三、竹之内診佐夫、日本鍼灸治療学会の黒須幸男、出端昭男、山下健の6先生により話し合いの結果合意を得て認可が得られたものである。(実務を黒野保三事務局長と奥田冨男経理部長が行い、設立基本金は谷口健蔵常務理事が出資した。)
「社団法人全日本鍼灸学会設立の経緯と概要」
日本鍼灸医学会事務局長 黒野保三
国内の鍼灸医学研究を志す学兄諸氏が長年の念願でありました法人学会の設立が昭和55年4月1日付けをもって谷垣専一文部大臣より、社団法人全日本鍼灸学会と称して設立の認可がおりたのであります。
このことは、昭和53年2月に明治鍼灸短期大学が設立されましたが、これと相俟って、鍼灸術から“鍼灸医学”へと、国家レベルにおいてその価値が認識される事になったのであり、誠にご同慶にたえません。
この法人設立にともない会員諸氏の一層のご理解とご協力をいただくために簡単ではございますが、これまでの経緯と概要を述べさせて頂きます。
過去数年来、各鍼灸医学に関する研究会が、各々の立場から法人化を望み、その方向に努力されてきました。
日本鍼灸医学会も去る昭和50年3月9日に明治東洋医学院において開催されました臨時総会で、今後の鍼灸医学の研究を推し進めるためには、医学研究者や医師と鍼灸師が協力して鍼灸医学研究をしなければ真の鍼灸医学の向上は望めないという目的で、日本鍼灸学会を日本鍼灸医学会と名称変更をし、合せて、国家機関や諸外国との交流の窓口とする目的のために、社団法人化の旗揚げを致しました。
しかし、当時の文部省における見解では、鍼灸は学問として認めがたく、いわんや、鍼灸医学として取り上げるには、あまりにも問題が多過ぎるとの理由によりまして放置されてしまったのであります。また文部省に対し日本鍼灸医学会の法人化を妨害するような行為も加わり益々法人化の推進にブレーキがかけられたのでございます。会長はじめ役員は前述のような文部省の態度や妨害に屈することなく一つ一つ難問を解決しながら再三再四法人化の推進に努力をしてまいりました。
一方では、たとえ文部省の法人認可が得られないとしても、国内における諸学会との交流を深め、もし各会が賛成して下さるならば鍼灸医学研究の統一した土俵の場を作ることを目的として、日本鍼灸治療学会に呼びかけて、連合設立に関する懇談会を昭和52年に東京で開きました。また昭和52年に名古屋で開催されました第26回日本鍼灸医学会学術総会の前日には国内の主だった学協会10団体に出席を求め懇談会も開きました。このように紆余曲折をしながら一歩一歩着実に法人化を進めていったのであります。
上述のような私たちの努力と情熱が文部省に認められ、昭和53年9月に役員の過半数を医学者にすることと、30名の役員を20名に減らすという条件付きで、法人設立にともなう手続きの指導が受けられるようになったのであります。そして、昭和54年度の役員改選期に、会長や選考委員は断腸の思いで役員の選考を行い、理事会と評議員総会において議決されたものであります。その後文部省との折衝も順調に進み、いよいよ昭和54年9月末日までに法人設立の認可が下りるという内報のもとに事前協議を進めておりました。はからずも昭和54年9月に日本鍼灸治療学会も社団法人化に関する書類を提出したのであります。
文部省は再び日本鍼灸医学会に対する法人化に難色を示したのであります。日本鍼灸医学会としては、過去、文部省に通うこと30数回、それに伴う交通費、人件費、資料の収集等を合わせますと莫大な損失であることを訴え、両学会とも法人化を認め、優先的に日本鍼灸医学会の法人化を認めるよう要請したものであります。これに対して文部省の解答は両学会が統合一体化することが望ましいとの意見が出されたのであります。そこで、昭和54年10月6日常務理事会を開き種々検討致しました結果「両学会が統合一体化することは将来の鍼灸医学の発展に大いに寄与することであり国内における鍼灸医学研究を志す諸兄の熱望するところであろう」との意見で一致し、文部省に解答すると共に、日本鍼灸治療学会山村秀夫会長に対し、日本鍼灸医学会高木健太郎会長が統合の意義などを伝え、呼びかけたものであります。そして、両学会とも統合一体化することは元来の理想であり、それを実現することは、国内における鍼灸医学に関心を持つ人々の百年河清を待つ思いであるとの一致点に達し、昭和54年12月12日治療学会側から黒須幸男先生、出端昭男先生、山下健先生の3名と、医学会から谷口健蔵先生、竹之内診佐夫先生と私の3名、計6名が代表に選ばれ、社団法人設立準備会を開きました。そして設立代表者に日本鍼灸医学会会長高木健太郎先生を選出致しました。そして、下記のような重要事項の原案を作成致しました。
記
1.名 称 社団法人全日本鍼灸学会
2.事務所 東京都豊島区南大塚3丁目44―14
3.定 款
4.役 員
イ.日本鍼灸医学会 9名
ロ.日本鍼灸治療学会 10名
ハ.両学会以外の4学会 4名
合計23名
5.役員及び財産と運営について
イ.日本鍼灸医学会
・法人設立認可のあった日から社団法人全日本鍼灸学会と名称変更する。
・財産のすべては、法人学会に寄付する。
・会員はそのまま法人学会の会員となれる。
・法人学会の運営は、昭和55年5月17日に開催される学術総会終了まで、旧日本鍼灸医学会の役員により運営し、
学術総会終了後は新役員により運営をする。
ロ.日本鍼灸治療学会
・昭和55年10月18日に開催される学術総会において解散し、法人学会と正式に統合する。
・会員はそのまま法人学会の会員になれる。
以上を両学会の理事会及び評議員総会にはかりつつ、文部省の指導に基づいて、去る昭和55年3月6日に文部省に法人設立の申請書類を提出致しました。そして、文部省より昭和55年4月1日付けをもって、“社団法人全日本鍼灸学会”の設立許可がおりたのでございます。
以上、概要を述べましたが誠に不十分であろうと思いますが、あしからずお許し下さいますようお願い申し上げます。また、法人設立に際しましても、不行届きの点が多々ございますが、社団法人設立許可に免じて、併せてお許し頂きたいと願うものであります。
(自律神経雑誌第27巻1号より転載)
「挨 拶」
名古屋大学名誉教授 前名古屋市立大学長
(社)全日本鍼灸学会会長 高木健太郎
日本鍼灸医学会と日本鍼灸治療学会の2つが1つになって、書類上は、昨年4月から社団法人全日本鍼灸学会として発足してから、今回が名実共に真の大会として開催できる運びとなったことは、まず何をおいてもご同慶に堪えぬところである。
日本にはこの両学会のほかにも活発に活動している学会があるが、まずこの学会が双璧といってよく、しかも長年の間、この両学会の合体が多くの人々から希望されていただけにその喜びは大きい。そう思うと共にここに至るまでの両学会の事務局長をはじめとする役員各位の御苦労は察するにあまりある。ここに慎んで深い謝意を表し、永遠にその功を称えたい。他の学会の方々にも通知されたことであり、少なくとも大会、総会のときには是非参加して頂いて、この大会に発表しておきさえすればすべての人々に知らせることになるし、又この大会に出席しておれば現在の鍼灸分野の進歩に遅れないといわれるほど権威ある学会にして頂きたい。
この両学会は元来1つの学会であり、故石川日出鶴丸、笹川久吾先生を中心として設立されたものであるが、いろいろの事情で分裂して今日に至ったものである。会長として最初に会員の皆様にお願いしたいことは今後は志を同じくして学会の趣旨に従って斯学の発展のために協力して頂いたことである。学会は互いに自分の学問的、治療的経験を披瀝し発表し、討論して互いに啓発し、広くは国際的にも交流を広げて、苦しめる人、悩める人々に少しでもよい治療を施すよう努力するためであり、更に原理を探究し、鍼灸のみならず、ひろく医学に貢献するためである。
種々の役職の方々は会員がこの目的を完遂するために、種々の便宜を与える人々であり、学問の上の上下関係を示すものではない。ただし役員として長く勤められた労苦に対しては会員として感謝の念を抱くのは当然である。役職のための役職ということがとかく頭を出したがる風潮は是非改めてほしいと思う。学会運営に当たって事務局が最も頭を悩ますのは会費その他の経費の納入、催促である。学会は会員各々によって支持され運営されているものでありまして法人ともなれば社会的にも認められた会であり、その会員である。その意味では事務局に迷惑のかからぬよう積極的に財政を援助する気構えがほしい。
毎度言うことであるが、鍼灸は単なる経験的、伝統的医術から科学的な根拠を有する医学へ向かって発展しつつある。科学的な根拠がなければ医療が行えないと言うものではないにしても、その根拠にたって更に広い展望が望まれ、しかも難病などに対しての鍼の効用が注目をひき、医師も鍼灸に強い関心を有するようになった今日、私共が数年前、日本学術会議から指摘した様に、医師は素直に鍼灸術と古典を学び、鍼灸師は基礎医学の知識の涵養と努力を怠ってはならぬときが来たと思う。その意味ではこの学会が役に立つことを祈っている。また国際的にこの学会の設立を全世界に通知して、日本における鍼灸学の窓口として活躍する様になることを願っている。
社団法人全日本鍼灸学会(略称(社)鍼灸学会)が今日を契機として一大飛躍を遂げるよう、すべての会員の皆様のご協力をお願いしてやまないものである。
第31回学術大会会長 名古屋大学名誉教授 愛知医科大学教授 岡田 博
今度尊敬する友人である高木健太郎先生から当地で開催される第31回の本学会大会に会長を引き受けるよう依頼されましたので考慮の上お引き受させて頂くことに致しました。
鍼灸については私は充分知っているわけではありませんが、高木学兄からもいろいろお聞きしており、又1987年には鍼灸医学会代表の一人として山下九三夫先生等と共に中国の医学を視察する機会に恵まれました。そして現地でのハリ麻酔やハリ治療の実状を視てわれわれの学んだ西洋医学の及ばない優れた点のあることを認識致しました。その後私自身がぎっくり腰をわずらいハリ治療を受けて卓効のあることを経験致しました。鍼灸を中心とする東洋医学は、西洋医学の様に解剖学、生理学、生化学や病理学などの基礎的な学問の上に論理的に組み立てられた医学と異なり、永い経験と直感に基づいた全く異なった体系による医学でありますが、西洋医学の及ばない優れた点と神秘性のあることを認めます。しかしそれだけに原理やメカニズムについて不明の点が多く解明についての研究が一層要望されるところです。
第31回大会は日本鍼灸医学会と日本鍼灸治療学会の合併による第1回の大会であります。
どうか皆様出来るだけ多数御参集頂き鍼灸についての研究を展開されて本学会をみのり多いものとして鍼灸の発展に寄与して頂くよう心からお願い申し上げます。
第31回学術大会実行委員長 名古屋市立大学医学部教授(解剖) 渡 仲三
今回名古屋において第31回社団法人全日本鍼灸学会学術大会が開催されるはこびとなり、ご同慶に堪えません。ご存じの通り、昭和55年4月1日付けをもって、本学会は文部省から社団法人として認可された訳ですから、今回の大会は名実共にその第1回の学術大会であって、極めて意義深い、歴史的な大会であります。従って第1回大会と銘すべきですが、この学会の主な母体となった日本鍼灸医学会と日本鍼灸治療学会とが、共に30回の学術大会開催の歴史をもっている関係で、その歴史的足跡を残すべく本大会を第31回とした訳です。
鍼灸は東洋医学の一部門として三千年以上の歴史がありますが、日本において正統な医療から離れて、「医療類似行為」として明治維新以来ともすれば日陰の道を歩んだのでありますが、最近、西洋医学が万能でないこと、また西洋医学の薬害問題や医療過誤問題が目立つに及んで、東洋医学の良さが俄然台頭してきたのであります。しかし、東洋医学の欠点は科学的実証に乏しく、どのような病気にどのように有効なのか不明の点が多いのであります。本大会におきましては「予防医学と鍼灸」というスローガンをかかげ、鍼灸が治療医学だけでなく予防医学にも有効であることを再認識すると共に、その科学的証明に向かって多くの研究成果を期待してやみません。
私も本大会の実行委員長と言う重責をお引き受け致しましたが、本大会の実施にあたっては万全の努力をはらい、本大会が盛会かつ有意義に終わりますことを祈念してやみません。つきましては、会員各位の一層のご支援のほどをお願い申し上げる次第です。
(第31回学術大会抄録より転載)
第31回学術大会の前夜、5月22日(金)午後5時から8時までの3時間にわたり、名古屋市公会堂(4F)会議室において、熊澤孝朗委員長(名古屋大学医学部助教授)の総合司会により鍼灸研究ワーキング・グループ主催のワークショップが開催された。
鍼灸研究ワーキング・グループは、昭和54年3月25日に開催された理事会ならびに評議員総会において、黒野保三常務理事の提案により、歴史もあり治療の実績もある鍼灸治療を自然科学の洗礼にさらし医学として体系化し鍼灸医学における学理および臨床研究の発展を目的として活動するグループとして組織することが決議され、昭和54年4月に発足したのである。
「日本鍼灸医学会鍼灸研究ワーキング・グループ設立趣意書」
鍼灸医学は3,000年の歴史を有し、またその人類に対する貢献も大であったことはいうまでもない。日本鍼灸医学会は昭和23年創設された。
当学会は、過去30年間にわたり、学術集会、会誌の発行、関係諸機関、国内における諸学会との交流、中国をはじめとする外国の諸学会との国際的交流等、多彩な活動を続けてきた。
近年、わが国はもとより諸外国における鍼灸医学およびその関連領域の科学の進歩はめざましいものがあり、わが国においても明治年間以来なおざりにされてきた鍼灸医学の価値が再認識されており、鍼灸医学の関連領域における研究を必要とする諸問題も増加の一途をたどっている。
今後、鍼灸医学が社会の要請に的確に対応していくには、基礎および臨床面における綿密な連携のもとに、鍼灸医学の研究が進められなければならないことはいうまでもない。この時期にあたり確たる基盤の上に立つ研究グループを設立することにより鍼灸医学における学理および応用研究の発展につながるものと考える。よって、ここに日本鍼灸医学会ワーキング・グループの設立をはかるものである。
昭和54年6月8日
鍼灸研究ワーキング・グループ委員長 熊澤孝朗
(自律神経雑誌26巻3・4号より転載)
以後、この鍼灸研究ワーキング・グループは社団法人全日本鍼灸学会研究委員会となり、年次学術大会の第一日目にワークショップを開催することが恒例となった。
「(社)全日本鍼灸学会研究委員会新設の経緯と概要」
研究委員会顧問 黒野保三
(社)全日本鍼灸学会研究委員会が、昭和57年4月1日より新発足されることになりました。
この研究委員会発足にともない、会員諸氏の一層のご理解とご協力をいただくために、簡単ではありますが、研究委員会発足の経緯と概要を述べさせていただきます。
10年近く吹きあれた鍼灸ブームも、いつしか褪せ、いよいよ鍼灸医学の真価を問う目が鍼灸師に向けられてきました。
中国での鍼麻酔の発見以来、わが国では鍼刺麻酔に関する研究が解剖・生理・薬理・臨床などの各方面から行われ、多大の成果を上げ、鍼灸医学のブームを呼んだのであります。しかし、ここ数年間の学会報告を見ると、次第に臨床報告が減少する傾向をたどっているように見受けられます。
本学会は、鍼灸医学の治療家が大半を占めているにもかかわらず、臨床経験の発表が減少しているということは、本学会の進歩発展をさまたげる一原因にもなりかねません。現時点では、鍼灸医学の研究は、現場の鍼灸治療の中での確たる現象が優先すべきかと思います。そこで、鍼灸医学の治療家がこぞって鍼灸医学の研究に参加していただき、本学会の進歩発展と鍼灸医学の確立を計ることを目的として、研究委員会は新発足することになりました。
日本鍼灸医学会では、鍼灸研究ワーキング・グループと称し、名古屋大学医学部助教授熊澤孝朗先生を委員長とし、副委員長北出利勝先生が臨床部門を、同じく副委員長川喜田健司先生が基礎部門をそれぞれ担当し、石神龍代先生が事務局長と事務連絡を担当し、種々研究活動を行ってきました。
昨年5月23・24日、名古屋において開催されました(社)全日本鍼灸学会設立記念学術大会の前日、22日に名古屋市公会堂においてワークショップを行い、盛会裡に終了したのはご承知のとおりであります。
一方、日本鍼灸治療学会ではJ・Sゼミナーと称し、(社)全日本鍼灸学会総務部長・黒須幸男先生をリーダーとし、代田文彦先生を講師として、研修会を行ってきたこともご承知のとおりであります。
そこで、昭和56年7月12日に行われた理事会で、鍼灸研究ワーキング・グループと、J・Sゼミナーを合同にしてはとの提案が出され、合同して新発足されることが理事会で決議されました。そして、研究委員会新設のための準備委員として、熊澤孝朗、代田文彦、黒須幸男、北出利勝、川喜田健司、石神龍代の諸先生方と黒野保三の7名が選出されました。
昭和56年11月29日、名古屋において、準備委員会を開き、熊澤孝朗、代田文彦、北出利勝、川喜田健司、石神龍代の諸先生方と黒野保三の6名が出席し、次の事項を申し合わせたのであります。
1.資格は各部と同じであるが、会長直属の委員会とし、名称を社団法人全日本鍼灸学会研究委員会(研究委員会)とする。
2.委員長 熊澤孝朗
3.事務所 名古屋市中区新栄町2―13栄第一生命ビル2階 東洋医学研究財団附属鍼灸院内
4.研究テーマ
基礎部門:経穴について
臨床部門:慢性肝機能障害、高血圧症、腰痛症、膝痛症
5.福井で開催される第32回(社)全日本鍼灸学会学術大会の前日にワークショップを行う。
6.次回までに各疾患担当のリーダーと運営委員の選出について資料を収集する。
7.次回は昭和57年1月31日開催
以上の申し合わせをし、昭和56年12月21日に行われた理事会で承認を得たものであります。
昭和57年1月31日、名古屋において、第2回の準備委員会を開き、熊澤孝朗、代田文彦、北出利勝、川喜田健司、石神龍代の諸先生方と黒野保三の6名が出席、以下のように決定いたしました。
1.各研究班リーダー
イ.臨床部門
慢性肝機能障害 黒野 保三
高血圧症 蟹江 勝
膝痛症 北出 利勝
腰痛症 山田 勝弘
ロ.基礎部門
経穴 川喜田健司
2.研究委員会役員名
顧 問 黒野 保三
委員長 熊澤 孝朗
副委員長 代田 文彦
事務局 石神 龍代
運営委員 大塚 建彦、小川 卓良、小田原良誠、川喜田健司、北出 利勝、木下 伸一、須永 隆夫、
竹之内三志、中村 辰三、浜添 圀弘、森 高好、森川 和宥
以上を決議し、昭和57年6月4日、福井で開催するワークショップの打ち合わせをいたしました。
以上、研究委員会発足の概要と今日までの経過を簡単に述べさせていただきました。
(昭和57年6月)
日 時 昭和55年5月23・24日
場 所 名古屋市公会堂
テーマ 「予防医学と鍼灸」
大会役員
大会会長:愛知医科大学教授 岡田 博
実行委員長:名古屋市立大学医学部教授・(社)全日本鍼灸学会愛知地方会会長 渡 仲三
事務局長:(社)全日本鍼灸学会常務理事・ (社)全日本鍼灸学会愛知地方会副会長 黒野 保三
事務局:川喜田健司,二本柳賢司,岡田静治郎,中村 弘典,石神 龍代,牧田 文子
学会本部:高木健太郎,岡田 博,山下九三夫,井垣 博夫,堀田 健,小島 福松
本部接待:鬼頭 直子,相川 房子,鶴田美貴子,菅沢 規江
大会本部:渡 仲三,所 集次
総 括:蟹江 勝,田中 法一
表方総括:森 一彦
裏方総括:蟹江 勝,奥田 冨男
財 務:河合 雅人,伊藤 辰成,平松 由江
来賓・報道関係受付:三輪 一司,筒井 眞,勝野 由睦
医師・大学関係受付:森 一彦
一般当日受付:采女 稔,阿部 輝雄,岩田 明,山本 義則,野村 優子,林 尚臣
学生受付:木村 隆之,神谷 道彦,竹中 孝久,鈴木 壮一
ブロック受付:
北海道・
東 北:水野 浜子,近藤 正典
関 東:宝田 良清,杉村 茂,山田 太郎
北 陸:坪内 宗次,牧野 雅照,酒井 俊夫
東 海:山内 正夫,森下 孝,永谷 友和,金子 賢造,石川チヨ子,都築 京子
関 西:水野 利昭,吉川 正剛,筧 恭治,宮田千代子
中 国:山賀 利信,深尾 勝一,大矢美智代
四国・九州:山本 良一,鈴木 一三,伊丹 久夫
司会進行:堀 茂,大竹 敬三,野村 亘歌
座長演者係:金 奇吾,前川 英治,大橋 峯生,柴田 秀
タイム係:平松宏予志,伊藤 勇
照明連絡係:今井 正行,広田 嶺生
原稿受領係:所 脩,大森 修
質問整理係:佐藤 学,杉浦 正一,中村 康夫,矢島 利明
記録係:長谷川栄一,坪内 一正,広沢 秀武
撮影係:石川 八三,松原 光宏,松本 達善
スライド受付:下條 起誉,小川 義麿,斎藤 友宏
ビデオ撮影:金原 波夫,加藤 喜之
スライド連絡:二村 公造,服部 輝男
スライド映写:服部 武生,高田 直路,小島 康義,朝倉 康坪
苦情処理係:早崎 正則,横井 司,奥川 律三
救護班:松原 光男,前島 嘉人
昼食係:三宅 弘,鷲見 聡,山川 成彦,清水和由紀
懇親会係:寳田 一男
宿泊係:熊崎 勝馬,冨田 明義,安達 和弘,鈴木 實,西浦 信夫
展示場係:斉木 章展,中根 満,水谷 鉦孝,鈴木 雅詞,鈴木 幸雄
内 容
「特別講演 鍼灸経穴名の国際的統一に関する研究」
中医研究院鍼灸研究所 王 徳
特別講演
①高齢者の健康生活
名古屋大学名誉教授・愛知医科大学教授 岡田 博
②鍼灸医学の将来と問題点
名古屋大学名誉教授・前名古屋市立大学長 高木健太郎
シンポジウム 予防医学と鍼灸治療
司 会 名古屋大学医学部教授 青木 国雄
講 師 名古屋市立大学医学部教授 渡 仲三
名古屋市立大学医学部研究員 黒野 保三
名古屋市立大学医学部助教授 松本美富士
明治鍼灸短期大学助教授 北出 利勝
一般口演 54題(うち愛知地方会会員口演者は下記の通り)
脈波の分析と東洋医学との対応
名古屋市立大学医学部第一解剖学教室 石神 龍代、黒野 保三
筋細径求心神経による呼吸抑制;内因性オピエイトの関与の可能性について
名古屋大学医学部生理学教室 金 奇吾、熊澤 孝朗
特性X線による組織内遷移金属の分析
名古屋市立大学医学部第一生理学教室 二本柳賢司
現代鍼灸師の倫理<私考> 森内科医院院長 森 一彦
鍼灸研究ワーキング・グループ『ワーク・ショップ』(大会前夜開催)
<第一部> 「経穴」 -皮膚の低電気抵抗点について-
皮膚の低電気抵抗点についての文献的・実験的考察
川喜田健司(鍼灸研究ワーキング・グループ副委員長)
「皮電点」の観点からの考察
尾本 禎男(日本鍼灸皮電学会理事)
皮膚の電気抵抗についての生理学的考察
髙木健太郎(社団法人全日本鍼灸学会会長)
「良導絡」の観点からの考察
西田 知史(東京鍼灸良導絡学会理事)
「経穴」に関する形態学的考察
山下九三夫(社団法人全日本鍼灸学会学術部長)
<第二部> 四疾患に対する鍼灸の効果の客観的判定について
本態性高血圧症について
池田 啓二(鍼灸研究ワーキング・グループ運営委員)
統一カルテ使用状況アンケート結果について
石神 龍代(鍼灸研究ワーキング・グループ事務局長)
腰痛について
小川 卓良(鍼灸研究ワーキング・グループ運営委員)
膝痛について
北出 利勝(鍼灸研究ワーキング・グループ副委員長)
慢性肝機能障害について
黒野 保三(鍼灸研究ワーキング・グループ顧問)
参加人員 1,365名