平成16年7月1日
ホームページ委員長 河瀬美之
去る平成16年6月11日(金)から13日(日)までの3日間、千葉県の幕張メッセにおきまして、第53回(社)全日本鍼灸学会学術大会が開催されました。大変盛会で、参加者が3250名だったそうで、学術大会関係者の役員の先生方の献身的なご努力に感謝申し上げます。
さて、3日間参加させて頂いた感想や得たものについて述べてみたいと思います。
まず、会場が広いわりには発表をする会議室が非常に近くて複雑でなかったので、各会場に移動する時にも簡単で便利でした。また、各階のロビーが広く、ゆったりしていたのも印象的でした。しかし、ポスター会場や実技セッションが医療機器の展示と同じ会場であったため、すこし落ち着けなかったことと、天井が非常に高くて広々としていたため、発表者の声が聞き取りにくかったことがありました。ポスター発表は発表者を囲んで、すぐ近くで聞くのが特徴ですが、すこし離れると聞き取れなかったのは少し残念でした。
鍼灸治療の有効性を評価する方法は大変難しいのですが、有効性を確認するには大変重要であります。今回の学術大会に参加させて頂いて、そのことを強く感じました。評価はより信頼性のあるものをより多く用いた方がよいことを再認識させて頂きました。ここに、愛知地方会名誉会長の黒野保三先生が述べられている『鍼灸治療の実証医学的研究基準』について、先生の著書である<臨床鍼灸医学>エフエー出版より抜粋したものをご紹介致します。
鍼灸治療の実証医学的研究基準
1.鍼灸治療における自他覚所見の推移を定量的に見出すスケールの作成
2.疾病の重症度判定基準の作成
3.鍼灸治療効果の判定基準の作成
4.医学統計処理結果により、鍼灸治療効果の有効性が明らかにできる治
療計画の作成
これらの基準を満たした臨床鍼灸研究が急務と思います。愛知地方会では研究班が中心となってこのことを実践しています。今回の学術大会での愛知地方会会員の発表者は20名で、そのほとんどが開業している臨床家であります。全国の地方会では一番充実し、先駆者としての役割を果たしていると思います。
今後さらに愛知地方会名誉会長の黒野保三先生のご指導により、さらに発展できるよう、私も微力ながら努力してゆきたいと思います。