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生活習慣病(糖尿病)班の紹介

糖尿病班

 

糖尿病班班長 中村弘典

 

 (社)全日本鍼灸学会愛知地方会研究部では、愛知地方会名誉会長である黒野保三先生の発案により、昭和61年4月に糖尿病班が新設されました。以来、18年にわたり研究活動を続けております。

 糖尿病班のこれまでの糖尿病に対する鍼治療の糖尿病動物における基礎的研究や糖尿病患者における臨床的研究結果から、糖尿病に対する鍼治療の有効性を見出すことができました。また、副作用などは全くみられませんでした。

 厚生労働省は食習慣・運動習慣・喫煙・飲酒などの生活習慣が発症に大きく関与する疾患を生活習慣病と呼ぶことを提唱しています。平成14年度糖尿病実態調査によると、我が国の糖尿病が強く疑われる人は約740万人で、糖尿病の可能性を否定できない人を合わせると、約1,620万人であることが報告されており、糖尿病は国民病の一つと考えられ、生活習慣病の代表的な疾患です。これらのことから、厚生労働省は今後更に糖尿病対策に対し、力を入れることが予想されます。

 今日の糖尿病治療は食事療法や運動療法が根本であり、現在のところ経口血糖降下剤やインスリン療法などの薬物療法以外に治療法はありません。

 また、糖尿病治療の目的は、糖尿病の発症予防(一次予防)と糖尿病合併症の進行予防(二次予防)及び合併症を管理することで重篤な臓器障害や死に至ることを予防(三次予防)することであります。

 このことから、今後は副作用がなく、一次予防から三次予防全ての目的に適用することができる鍼治療の糖尿病治療に果たす役割は大きいものと思われます。 

 

 そこで、糖尿病班では糖尿病に対する鍼治療の有効性を客観的に検討する目的で糖尿病カルテを作製し、これまでに多くの症例報告を行ってきました。

 臨床において糖尿病患者に糖尿病カルテを使用し、理化学的所見や自覚症状の経過を観察することをお勧めします。

 詳しい記載方法や注意点については、糖尿病班研究日に参加され勉強されることを希望します。

 今後、更に急増すると予想される糖尿病患者の鍼灸に対する期待が高まるものと考えられることから、糖尿病患者に対する正しい治療や指導を行うため、糖尿病を充分に勉強することが大切であると思います。

 

 糖尿病に興味のある方、是非、研究活動にご参加下さることをお待ちしております。

 

 

糖尿カルテ(PDFダウンロード

 

 

 最近の研究報告としては、第53回(社)全日本鍼灸学会学術大会(千葉大会)において「糖尿病に対する鍼治療の症例報告」を発表しました。


糖尿病班 2

 

糖尿病班班長 中村弘典

 

 (社)全日本鍼灸学会愛知地方会研究部糖尿病班では、愛知地方会名誉会長である黒野保三先生のご指導のもと、糖尿病カルテを使用した臨床的研究や糖尿病動物における基礎的研究を長年続けさせて頂き糖尿病に対する鍼治療の有効性を実証医学的に証明してきました。

 日頃から、黒野保三先生は臨床研究を行うにあたり、まず研究テーマを持つことが大切であると教えを頂いています(コラム参照:研究テーマを持とう)。

 糖尿病は生活習慣病の代表的な疾病である上、患者は多種多様であり、病態が一人一人異なっています。糖尿病を研究テーマに持つことにより、臨床鍼灸の幅が広がり、患者との信頼関係が築かれることにつながります。

 臨床において糖尿病カルテを使用し、糖尿病患者の病態や治療経過を充分に把握することで、研究のみならず的確に正しい生活指導ができることを目指しています。

 糖尿病に興味のある方、是非、研究活動にご参加下さることをお待ちしております。

 糖尿病カルテの詳しい記載方法や注意点については、糖尿病班研究日に参加され勉強されることを希望します。

 

※第54回(社)全日本鍼灸学会学術大会(福岡大会)発表内容

 

一般口演

「糖尿病モデル動物に対する鍼治療の効果(Ⅴ)-全身麻酔糖尿病ラットにおける検討-」中村弘典

ポスター発表

「東洋医学研究所グループ®における糖尿病症例集積による検討」山田 篤


生活習慣病(糖尿病)班 3

 

生活習慣病班班長 中村弘典

 

 (社)全日本鍼灸学会愛知地方会研究部では、愛知地方会名誉会長である黒野保三先生の発案により、昭和61年4月に糖尿病班が新設されました。以来、研究活動を続け糖尿病動物における基礎的研究や糖尿病患者における臨床的研究結果から、糖尿病に対する鍼治療の有効性を見出すことができました。

 近年、厚生労働省は食習慣・運動習慣・喫煙・飲酒などの生活習慣が発症に大きく関与する疾患を生活習慣病と呼ぶことで、糖尿病などの生活習慣病に対し生活習慣の改善による予防対策に力を入れようとしています。

 また、厚生労働省は医療機関における糖尿病などの生活習慣病患者には、服薬よりも運動や食習慣の改善が重要として、服薬を前提とした現行の「生活習慣病指導料」の診療報酬を引き下げる案を中央社会保健医療協議会に提示しました。

 このように、今や生活習慣病は社会的に大きな問題となっており、我々も国民のニーズに応えた医療を提供するために研究活動の幅を広げることが必要となってきました。そこで、本年度より糖尿病班も生活習慣病班として研究活動を発展させていくことになりました。

 患者が良い生活習慣を送るためには、適切な管理・治療を継続することが重要であり、チーム医療が必要とされています。鍼治療は糖尿病を含めた生活習慣病の予防に効果が期待できるため、医療の中で鍼治療が大きな役割を果たすチャンスであると思います。

 そのためには、鍼灸師が生活習慣病患者に対し正しい治療や生活指導を行うことが重要であり、生活習慣病について充分に勉強することが大切であると思います。また、臨床においては生活習慣病の代表的な疾患である糖尿病患者に糖尿病カルテを使用し、理化学的所見や自覚症状の経過を観察することをお勧めします。

 詳しい記載方法や注意点については、生活習慣病班研究日に参加され勉強されることを希望します。

 糖尿病などの生活習慣病に興味のある方、是非、研究活動にご参加下さることをお待ちしております。

 

本年度開催される第55回(社)全日本鍼灸学会学術大会(石川大会)において発表する予定です。

 

ポスター発表

「糖尿病に対する鍼治療の症例報告-糖尿病性神経障害(外転神経麻痺)を発症した症例-」中村弘典

 

「東洋医学研究所グループ®における糖尿病症例集積による検討-自覚症状における分析-」山田 篤

(社)全日本鍼灸学会愛知地方会研究部生活習慣病班研究風景
(社)全日本鍼灸学会愛知地方会研究部生活習慣病班研究風景

生活習慣病(糖尿病)班 4

 

生活習慣病班班長 中村弘典

 

 厚生労働省は糖尿病などの生活習慣病の予防対策に力を入れており、(社)全日本鍼灸学会愛知地方会研究部生活習慣病班においても、愛知地方会名誉会長である黒野保三先生のご指導により、昨年から生活習慣病班として研究活動の幅を広げて活動を行っています。

  近年、医療界においてインフォームド・コンセント、セカンドオピニオンなどの言葉に代表されるように、患者自身が治療に参加するという意識が定着してきています。また、糖尿病の療養指導においては患者が積極的に自己管理を行うことに重点が置かれるようになっており、アドヒアランスといわれています。

 このような状況にあって、国民に鍼灸医療を提供する立場にある鍼灸師も正しい情報を社会に提供することが大切であると思います。

 そのためには、鍼灸師が生活習慣病患者に対し、正しい治療や生活指導を行うことが重要であり、生活習慣病について充分に勉強することが大切であると思います。

 臨床においては生活習慣病の代表的な疾患である糖尿病患者に糖尿病カルテを使用し、理化学的所見や自覚症状の経過を観察することをお勧めします。

 今後は医療の中で専門性を持つことが重要であり、社会的な期待や要請もこれまでにないほどに高まっています。

 どうか生活習慣病(糖尿病)に興味のある方、生活習慣病を研究テーマに持って研究活動に参加されることをお待ちしております。

 

 

本年度開催される第56回(社)全日本鍼灸学会学術大会(岡山大会)において発表する予定です。

 

ポスター発表

「糖尿病に対する鍼治療の一症例-糖尿病性神経障害を発症した症例-」中村弘典

 

「東洋医学研究所®グループにおける糖尿病症例集積による検討-血糖値と糖尿病自覚症状との相関-」山田 篤