平成19年2月1日
副会長 田中法一
1996年(平成8年)、厚生大臣の諮問機関である公衆衛生審議会「成人病対策部」は、従来の「成人病」に代わる名称として「生活習慣病」を導入することを具申され名称変更がされました。
もともと「成人病」という名称は医学用語でなく、便宜的に作った行政的な用語であります。これに対して、日野原重明氏(財団法人聖ルカ・ライフサイエンス研究所理事長)は“大人の慢性病は、ある日突然病気になるのではなく、若い頃からの日常生活のあり方やよくない習慣を繰り返す中で病気の根がだんだん広がって、ある年齢に達すると症状が出て来る事が多い”といわれたことに着目し、1977年から「習慣病」という名称を提唱されてきました。
このような意見が取り入れられて「生活習慣病」という新しい呼び方が誕生したわけであります。この名称に変更することで「習慣の改善によって病気の予防や治療を行う」という考えが広がっていくことが期待されています。
現在、日本人の3分の2近くが生活習慣病で亡くなっています。現代社会では、年齢に関わらず、ストレスや食生活で人間が本来備えている免疫が狂ってきています。
病気の発症や進行には生活習慣が深く関わっていて、逆に言えば、習慣の改善がその病気の発症や進行を予防することになります。
「生活習慣病」になる原因?
生活習慣病を発症させたり、その進行に影響を及ぼす生活習慣は以下が考えられています。
①食生活(食べ過ぎ・偏食)
②運動不足
③過労
④ストレス
⑤喫煙
⑥飲酒(飲みすぎ)
日常の臨床の際には、このようなことを念頭におき、患者さんへの指導にあたって頂きたいと思います。