日時:平成20年7月6日 午前9時30分~午後4時
場所:名古屋市立大学医学部教育棟2F 第1講義室
午前9時15分~9時30分 第13回愛知県鍼灸生涯研修会開講式が行われた。
内容
1)臨床鍼灸医学研究(支部指定研修B講座)
(社)全日本鍼灸学会参与 愛知地方会名誉会長 黒野保三 先生
「脳科学と鍼灸医学ⅩⅢ」
(社)全日本鍼灸学愛知地方会は全国一で他の追随を許さない旨の説明があり、今後学会本部で組織再編があり、愛知地方会の名称が変更されようと以前同様、講習会を開催していくという心構えが話された。
平成20年6月1日付の朝日新聞一面に、柔道整復師の不自然な保険請求についての記事が掲載された。この記事を引用され鍼灸も同様のことがあるのではないかという懸念が示された。
本年度のテーマである不定愁訴について関連性の高い報道記事が紹介された。
脳と心と鍼灸医学と題し、脳と心と鍼灸医学の関連についてプロジェクターを使用し詳細な説明があった。
(内容紹介)
3ヶ月ぶりになりますが、その間に(社)全日本鍼灸学会学術大会が京都で開催されました。そのことからいろいろ教えて頂きました。
「学会において愛知地方会は他の地方会を圧倒するだけの演題があり、学会の記録として撮られた映像にはその記録が残されています。ホームページもしかりですが、このような記録が残され継続されている地方会は他にないことは周知の事実です。その価値観がクローズアップされる時がきていることも自覚していただきたいと思います。
この価値観が必要となってくる裏づけのニュースとして6月1日の朝日新聞に、柔道整復師(接骨)の不正請求についての報道がありました。内容は1回の治療で3~4箇所の部位の施術に対して請求を行うということです。また、世の中では鍼灸接骨院というように鍼灸と接骨が同等にみられているという事実も、専門誌が鍼灸接骨院という言葉を使うところからもみてとれます。このような現実に対して鍼灸だけが良いということはなく、カルチャーセンター並の学校が乱立し、鍼灸師の質の低下が懸念される中で、価値ある鍼灸師となるには確固たる実績とともに継続して行う勉強の必要性があります。その点においては愛知地方会の功績は顕著であり、今後ともその必要性については疑う余地はありません。
しかしながら鍼灸が本当の意味で発展するようになるには、鍼灸の専門の大学が中心となっていかなければいけないはずですが、現実にはそうはなっていません。国は医学部での東洋医学の講義時間などの充実をはかり、統合医療の超党派の議員連盟を作るなど東洋医学に期待している観はみてとれるのですが、鍼灸師に期待している観はみてとれません。このような情報を皆さんにお伝えして責任を持って行っていかなければ専門医としても価値がなくなることを自覚して頂きたいと思います。」と説かれました。
続いて、「脳科学と鍼灸医学」について講義して頂きました。
「今回が脳科学と鍼灸医学については最後になります。とにかく質と量ともに良い鍼刺激をすることが脳の記憶について大事なことであり、いい記憶でなければ良い治療効果は望めません。臨床上の良い効果を継続させるためにも、再度述べますが勉強してその価値を知り研鑚することしかありません。
次回からは再生医学と鍼灸の関わりについて講義したいと思います。」と述べられ数十年に亘っての鍼治療仮説が医学知識の発展により証明されてくることがあらわされました。
2)不定愁訴とは何か
たけうち心療内科院長 竹内 聡 先生
「①精神医学的理解」と題し資料をもとに精神医学について詳細な説明があった。
3)不定愁訴に対する基礎・臨床、診断と治療
愛知地方会研究部不定愁訴班班長 石神龍代 先生
「不定愁訴カルテの記載方法とその応用」と題し「不定愁訴に対する鍼灸治療の検討」と題する資料をもとに詳細な説明がなされた。
4)ホームページ作成について
愛知地方会幹事 福田裕康 先生
ホームページを作成すべく第一歩として愛知地方会会員紹介ページ用の基礎データを配布され、プロジェクターを使用し詳細な説明があった。
5)不定愁訴に対する症例報告及び症例検討
経絡治療学会東海支部会員 加賀俊郎 先生
「不定愁訴と経絡治療」と題して症例検討が行われ、活発な質疑応答があった。
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