日時:平成21年11月1日 午前10時30分~午後4時
場所:名古屋市立大学医学部教育棟2F 第1講義室
内容
1)不定愁訴とは何か
たけうち心療内科院長 竹内 聡 先生
「③心身医学的理解」と題しスライドを使用し最新情報を交えて精神医学について詳細な説明があった。
2)臨床鍼灸医学研究(認定指定研修C講座)
(社)生体調整機構制御学会代表理事 黒野保三 先生
「再生医学についてⅦ」
最近の鍼灸界の現状について資料をもとに詳細な説明がなされた。
日本の鍼灸師の現状と将来についてスライドを使用し詳細な説明があった。
(内容紹介)
先月の講習会時に、医師不足が叫ばれる中、その医師の手助けをするために歯科医師、診療看護師を利用して行っていくことが提案されていることを説明しました。なぜそこに鍼灸師が入らず除外されているのでしょうか、という問題提議に対し、この1ヵ月間の情報収集から教えて頂きました。
「医師不足で医療崩壊が叫ばれる中、国が認めた教育機関で教育を受け、国家試験に合格した鍼灸師をなぜ入れないかという疑問に対して、同じことに疑問を持ち実際に行動しているグループが確認されました。愛媛県立中央病院において僻地医療への医師不足に対して特に筋・骨格系の疾患に対しては医師とともに鍼灸師が共同して診療を行いその効果や、負担軽減など検討した結果、患者からも好評で十分な医療支援になりうる可能性が示されました。この試みや結果は、非常に価値があり、全国でもこの試みが広がることを願っています。
しかしながら、前途は明るいわけではありません。例えば未病システム学会という学会があります。そこで、つい先日学術集会が行われていたわけですが、その抄録の中には全く鍼灸に関与した発表はありません。つい2・3年前までは抄録も薄く中身も少なかったのですが、一気に発展しています。結果からみると鍼灸界とは明らかにレベルの差ができてしまったということです。学問がいかに大事か、つまり鍼灸の世界ではいまだに本当のことを言うと足をひっぱったりして、本来なら本当のことをいって議論をし、切磋琢磨して発展していくのに、何十年にわたってそのことを拒否してきた結果がみえてしまったわけです。鍼灸界は、権利と利益を守る業者団体と鍼灸師の養成を行う教育機関と学術、学問など研究を行い研究発表をする場や雑誌を発行する学術団体があまり機能していないのが現状です。WHOからの情報などは業団から聞こえてこないし、学校協会などで意思統一できない学校が乱立し、学会ということがいえない勉強会程度のものが学会と称して一般の鍼灸師を惑わせている場合も見受けられます。
外からみて正当に評価されるためには、本当のものをみる力が必要となります。繰り返しの内容になりますが、同様な例として日本統合医療学会での認定対象者には、鍼灸師はその認定を受けるためには鍼灸師の免許を持っているだけではだめで、(社)全日本鍼灸学会の認定者のみ試験をうける資格があるのです。現状でこの条件にあてはまるのは日本中の鍼灸師の1パーセント程度です。つまり、その程度しか世間では評価されていないということになります。
WHOが要求する鍼灸師のレベルは世界的には医師にしか鍼灸をさせない方向に来ている中で、日本の鍼灸師が認められるためには、相当勉強してレベルを上げない限り、見捨てられ将来はなくなる危険性があります。」
以上のように鍼灸師の現状に対しての社会からの評価などから、鍼灸師への警鐘をならし、向かうべき道を示唆して頂きました。
3)不定愁訴に対する基礎・臨床、診断と治療
(社)生体調整機構制御学会研究部不定愁訴班班長 石神龍代 先生
「不安障害について」と題し、多数の資料が配布され資料に基づいて詳細な説明がなされた。
4)不定愁訴に対する症例報告及び症例検討
脉診研究会 鍼和会会長 前川勝治 先生
「自律神経失調症の弁証論治」と題して症例検討が行われ、活発な質疑応答があった。
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