日時:令和2年3月1日(日) AM9:30~PM2:50
会場:名古屋市立大学 病棟・中央診療棟3F 大ホール
内容
1) 自律神経機能評価 運動と自律神経-透析患者を中心に- (公社)全日本鍼灸学会認定指定研修C講座
名古屋市立大学大学院医学・医療教育分野教授 早野順一郎 先生
心拍変動の分析による生命予後の予測と題して、心拍変動をもとにコホート研究から死亡を予測することができること、ホルター心電図のデータを可視化することにより、スペクトル分析によって得られた心拍変動のHF・LF・LF/HFの基礎的なことを教えて頂きました。
実際に急性心筋梗塞の心拍変動のデータを健常人と比較した症例をグラフや表にまとめていただき、分かりやすく示していただきました。
最後に睡眠中の心拍変動について、基底心拍変動は睡眠中午前4時ごろ低下し、睡眠時無呼吸症候群の心拍変動は、中期的に心拍数の変動パターンがあることを可視化した心拍変動のデータで教えて頂きました。
2) 基礎生理学 (公社)全日本鍼灸学会認定指定研修C講座
愛知医科大学医学部生理学講座教授 岩瀬 敏 先生
高次機能について、大脳皮質の活動のモニタリング(脳波、誘発電位、脳電図)をすることにより、高次機能を理解することができる。脳波の測定方法、脳波の分類と記載、周波数と種類などをスライドを用いて示していただき、脳波から意識の低下、転換の異常波、睡眠の状態などがわかることを教えて頂きました
覚醒については、網様体・賦活系の脳のコリン作動性ニューロン、セロトニン作動性ニューロン、モノアミン作動性ニューロンがやる気やうつに関与し、ドーパミン作動性ニューロンは報酬系・情動に関与していることをスライドで教えて頂きました。
睡眠については、脳波の測定により、睡眠、覚醒、レム睡眠、ノンレム睡眠を判別できること、さらに実際のデータをもとに説明をして頂きました。
3)心臓リハビリテーションに対する基礎・臨床(4)
「心臓リハビリテーションにおける看護」
名古屋ハートセンターリハビリテーション部 看護師主任 東田 雪絵 先生
日本の高齢化と心疾患患者の増加について、心不全患者は高齢化に伴い、増加傾向にあり、国民病になっている。さらに医療費の問題もあり、地域包括ケアシステムの構築がとても重要であることを教えて頂きました。
急性、慢性心不全診断ガイドラインにもとづき、医師は治療、看護師は疾病管理・体調管理、薬剤師は服薬管理指導、臨床検査技師、理学療法士は運動指導・活動調整、介護士は介護保険・障害者手帳申請、管理栄養士は栄養指導など、多種職による包括的介入が今後さらにグループ医療として必要とされることを強く教えて頂きました。
最後に、これからの医療はチーム医療で医師主導から共通の土台・知識を持ち各専門職に分けて、多職種で裏付けのある根拠に基づいた臨床を行うことが必要であるとを教えて頂きました。
4)生活習慣病に対する症例報告及び症例検討
「糖尿病と鍼灸治療」
(公社)生体制御学会研究部生活習慣病班班長 山田 篤 先生
顔面神経麻痺発症時に血糖値が高いことが発覚した症例に対して鍼治療を行った結果、顔面神経麻痺症状の改善がみられた。また、治療開始時に強化インスリン療法を行っていたが、改善時には経口降下剤のみとなり、血糖コントロールが改善されていた症例を報告して頂きました。
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