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循環器疾患班の紹介

循環器疾患班

 

循環器疾患班 班長 服部輝男

 

 循環器疾患班では臨床鍼灸の立場から、循環器疾患に対する鍼灸治療の有効性を実証医学的に検討する目的で、種々のデータ集積を行い臨床研究を行うための基礎的な勉強会を実施しています。

 データの収集に当たって必要な知識と技術・技能を培うための訓練も平行して行っております。

 

血圧の測定

 

水銀式血圧計を用いての血圧測定の訓練

 この訓練は第1音から第5音までのコロトコフ音を聞き分ける訓練でこの音の変化により診察に役立つこともあります。

 

コロトコフ音記録を使用し安静時血圧の測定

 コロトコフ音を記録したコロトコフ音図はおよそ7種類に分類され診断的参考として役立ちます。

 

コロトコフ音記録を使用したSchellongの起立試験

 起立試験に伴う血行動態の変化や起立性低血圧の発見に役立ちます。

 

コロトコフ音記録を使用して両側同時血圧測定

 両側同時血圧測定をすることにより、上腕における血圧値の左右さが大きい場合脳血管障害を発症するリスクが大きくなるという報告があります。

 

仮面高血圧の発見

 覚醒時血圧測定の重要性について患者を教育するための勉強会などを行っております。

 

黒野保三先生指導のもとで季節と脉状診の関連研究に参加

 コロトコフ音と心電図について研究しております。

 

 コレステロールを下げる薬剤を服用した高脂血症患者約5万人を6年間追跡調査したJ-LITという大規模研究の結果からLDLが低くHDLが高い人は狭心症や心筋梗塞などを発症する率が低いことが知られるようになりました。

 しかし、この薬剤の副作用やアレルギーのような反応を発する人は使用することができません。

 このような患者さんに対し鍼治療で効果が出せないかを検討するためのデータ集積を行っております。

  

 循環器疾患に興味をお持ちの方、是非、研究活動にご参加くださることを待ちしております。

 

 最近の研究としては、第53回(社)全日本鍼灸学会学術大会(千葉大会)におきまして「季節と脉状診の関連研究―コロトコフ音図と心電図について―」、第23回(社)全日本鍼灸学会東海支部学術集会(静岡大会)において「起立性低血圧に対する鍼治療の一症例」を報告しました。


循環器疾患班 2

 

循環器疾患班 班長 服部輝男

 

 循環器疾患班では黒野保三名誉会長ご指導のもと、研究活動を行っております。

 主な内容は、新しい班員のための基礎教育(解剖・生理・病理及び血圧測定などの技術訓練)、循環器疾患の十分な理解を得るための情報集積と抄読会を中心に勉強会を行っております。また、脈波コロトコフ音記録計を使った症例集積と情報評価班との共同研究にも参加しております。

 

研究発表

 愛知地方会研究部情報評価班との共同研究発表

【第54回(社)全日本鍼灸学会学術大会】

 「季節と脉状診との関連研究(2)-大寒と大暑の血圧の比較(2)-」服部輝男

 

循環器疾患班での研究発表

【第54回(社)全日本鍼灸学会学術大会】

 1.「起立性低血圧に対する鍼治療の一症例」加納俊弘

 

【第24回(社)全日本鍼灸学会東海支部学術集会

(平成17年8月28日開催)】

 2.「循環器疾患と血圧測定-コロトコフ音聴取時のノイズと循環器疾患について-」服部輝男

活動風景
活動風景

循環器疾患班 3

 

循環器疾患班 班長 服部輝男

 

 (社)全日本鍼灸学会愛知地方会研究部循環器疾患班では臨床鍼灸の現場で循環器疾患を正確かつ確実に捉えるため、解剖・生理・病理などの基礎的な勉強会を中心に活動しております。

 また循環器疾患は他の疾患に付随して来院されることが非常に多いため、最新の医学情報や、種々のデータ集積を行うとともに、他の研究班の諸先生との情報交換も積極的に行っております。

 平成18年度の定例講習会では企画部長であられる黒野保三先生の企画により、循環器疾患ときわめて密接な関係にあり、近年脚光を浴びておりますメタボリックシンドロームの一つであります「糖尿病」が企画されており、より深い見識を身に付けられるものと期待しております。

 

黒野保三先生指導のもとで季節と脉状診の関連研究に参加

 コロトコフ音と脉状診について研究を行っています。

 

研究発表 

愛知地方会研究部情報評価班との共同研究発表

【第54回(社)全日本鍼灸学会学術大会】

 「季節と脉状診との関連研究(2) -大寒と大暑の血圧の比較(2)-」服部輝男

 

循環器疾患班での研究発表

【第54回(社)全日本鍼灸学会学術大会】

 「起立性低血圧に対する鍼治療の一症例」加納俊弘

 

【第24回(社)全日本鍼灸学会東海支部学術集会】

 「循環器疾患と血圧測定 -コロトコフ音聴取時のノイズと循環器疾患について-」服部輝男

 

今後の活動予定

1.鍼灸科として捉えるべき診察方法(触診、聴診を中心に)

2.データ集積に伴う専用カルテの作成

3.班員による研究発表   


循環器疾患班 4

 

循環器疾患班 班長 服部輝男

 

 循環器疾患を主訴に鍼灸院に来院される患者は極めて少ないのが現状であると思われます。しかし、平成14年人口動態統計による3大死因の第2位は心疾患、第3位は脳血管疾患が占め、平成14年厚生労働省患者調査からみた主な傷病の総患者数では第1位は高血圧698.5万人、第4位は脳血管疾患(脳卒中)137.4万人でありました。また、(社)日本脳卒中協会の報告では、平成13年国民生活基礎調査の概況による要介護(寝たきりを含む)になった主な原因の第1位が脳血管疾患(脳卒中)となっております。

 私たち鍼灸師も臨床鍼灸診療の最前線にて、このような多くの国民が罹患している循環器疾患に遭遇する機会が多くなると思われます。したがいまして、循環器疾患班では循環器疾患を十分理解し、危険の回避や適切な治療、あるいは適切なアドバイスが行えるよう勉強しております。

 平成18年11月19日には、海部南部消防組合での上級救命講習に参加し、心肺蘇生法とAED(自動体外式除細動器)の使用訓練を行ってまいりました。