日時:令和5年11月5日(日) AM9:00~AM12:10
会場:Zoomによるオンライン会場
内容
1)AM9:00~10:30
基礎生理学3 (公社)全日本鍼灸学会認定指定研修C講座
愛知医科大学客員教授(神経内科) 岩瀬 敏 先生
失語について、ブローカー野(流ちょうに話せない)とウェルニッケ野(自分が何を言っているかわからない)の2種類があり、言語関連領域の脳の解剖図で説明がありました。さらに、ミラーニューロンの説明とその研究の報告、関与する脳の解剖学的な部位を教えて頂きました。
後半は、高次機能で大脳皮質の活動モニタリングについて、検査方法(脳波、誘発電位、脳電図、PET、fMRI)と脳波周波数の波形記録から意識の低下、てんかん、認知症、脳死の判定などがわかることを教えて頂きました。
最後に本能と情動について、情動の形成、楽観と悲観、刺激と報酬、満腹中枢や空腹中枢のメカニズムについてわかりやすく説明して頂きました。
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1)AM10:40~12:10
細胞→回路→脳の情報処理の基本原理
(公社)全日本鍼灸学会認定指定研修C講座
名古屋大学環境医学研究所生体適応・防御研究部門脳機能分野教授 澤田 誠 先生
神経系には2種類の細胞(神経細胞・グリア細胞)があり、神経細胞は神経系のシグナルを伝える基本単位で、ヒトの脳は約860億個の神経細胞、少なくとも1,000種類に分類されること。シグナルは神経細胞内では主に電気シグナルが使われ、神経細胞間では化学シグナルが使われること。神経細胞は大きさや形態が異なっていても、神経細胞には共通な特徴があり、それぞれの神経細胞は特殊化した受容体を持っており、別の神経細胞から入力を受ける。その入力は電気シグナルに変換され、その総和(トリガー帯を統合)が閾値を超えると、全か無かの電気インパルスである活動電位が発生し、発生した活動電位は軸索に沿って再生を繰り返しながら伝わり、軸索終末のシナプスに到達する。その軸索終末シナプスから、神経伝達物質と呼ばれる化学物質が放出されることを教えて頂きました。
さらに、個々の神経細胞は1つまたは複数の行動機能を有する神経回路の一部であり、その一例が伸張反射の回路が刺激に応じて行動を引きおこす単純な神経回路で在るが、単純といっても伸張した筋肉の拮抗筋を弛緩させるなどの統合的なしくみも図を用いて教えて頂きました。
講義終了後、活発な質疑応答がありました。
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